私のわがままにつき合っていただき、ありがたいです。
都会っ子の私、山にめちゃくちゃ慣れてる渡部、木のことも草のことも花のことも、何を聞いても答えてくれる桐原先生。とっても楽しかったです。
私がちびりそうになって膝がくがくするような崖っぷちでへらへらしてる二人は男の中の男なのでしょうか。私は「桐原さん、死んじゃいやだから帰ってきてーー」と泣いてしまいました。でも泣いてることに気付かず2人は平気な顔で見渡す限りの山々について話しておりました。
私:「人生、次の瞬間何が起こるかわからないですから!」
桐原さん:「はっはっは、そうだねえ」って。崖っぷち一周しながら。。。
なんだか少し、大人になりました。
山って不思議です。どこを歩いているのかよくわからないまま、登り続けるとてっぺん。ただひたすら登り続けたらいつの間にかこんなに高いところにたどり着いている。
日常では絶対見られないような圧巻のパノラマを目にして、自分の大きさがウゴウゴ変化しました。
道に落ちてる実。枯れ葉。かつてその葉たちに覆われていた枝。どっしり支える太い幹。
それが沢山集まって山の輪郭をびっしりと埋める。
一生懸命登った山から見た、他の山の小ささ。
おんなじくらいの大きさのはずなんだけど、小さく見える。
こんなどでかいものを、どでかいものの頂から見ている自分、って、
色んな対比の中でどんどん自分の形や大きさが曖昧になっていきました。
空に溶けてるような、風を全身で感じて飛んでるような、地面から離れて違う世界に来てしまった不思議な気持ちです。
山って、まるで違う世みたいです。あの世?
なんとなく臨死体験というか。神秘体験というか。トランスっていうか。
山という謎の空間をさまよって、現世を上空から俯瞰して、また現世に戻って行く、一連の流れに心が洗われました。
山登りってこんな感覚になるんだ。知らなかったです。
あとは懐かしさ。自分は幼児園が山の向こうだったし、家のすぐそばに山があったので、中学1年くらいまで毎日1人で山で遊んでました。都会育ちですが、近くにはいつも山道がありました。
その懐かしさと、植物や自然への愛情と、向き合う機会を常陸太田では沢山もうけようとしています。
制作や、人生の中で、とても大事な機会になっていくと思っています。
言葉ではなかなか説明できませんが、作品や活動にいかしていきたいです。
桐原さんには、「この体験を通して何を獲得するのだい?」と先生ぽいこと言われてギクってなりました。
そうですね。沢山絵にします。沢山。何か伝えるべきこと、心に残すべきこと、向き合っていきます。
私が常陸太田で一体何をしているのか。わからないですよね。
今後はもう少し、お仕事についても書いていきたいと思います。