「アートを身近に楽しむ講座」〜生涯学習講座〜 スタート!

こんにちは!
生涯学習センターで組まれている生涯学習講座のプログラム。
その中で移住アーティストの林と渡部がそれぞれ講座を持っております!
私は「アートを身近に楽しむ講座」と題し、全4回で実施します。

ARTは難しいかというと確かに難しいですが、ARTは遠いものかといったらそんなことはありません。
じゃあARTってなんだろう?私の身近にあるARTってなんなんだろう?
この講座で、そんな思考を引き寄せる第一歩になることを願います。

6月3日(水)その第一回「目に見えないものを描く1」が無事終了しましたのでご報告します!

一回目はウォーミングアップも兼ねて、感覚を開いてそのまま出してみるという内容で実施しました。

感覚って、言葉で説明できないものや、図解できないことって沢山ありますよね。
愛情を込めて料理を作ると美味しく感じたり、皆で食べると美味しく感じるというのも似たようなことではないでしょうか。
そういうよくわからないけど確実にある「感覚」や感覚による「影響」というものを、実際に絵を描くことで可視化(目に見えるもの)にして見よう!
そう、目に見えないものを描く!!
第一回はこのような内容で行いました!

◯第一の手順「クレヨンで描く」段階では、自分の好みやクレヨンの手触りの良さが感じられます。
「とりあえず何も考えないことが大事」「完成を目指さない」という私のアドバイスもあったため、普段やらないような色の混ぜ方をしてみたり、線を引く強さを変えてみたり、指で塗ってみたり、それぞれの創意工夫が活きていました。見ているこっちもやりたくなっちゃう。面白い。面白い。
こんなに個性が出るのかと驚きました。
全体をそのように塗りつぶしながら、きっと自分で自負している自分とは違う部分が見えてきた人もいたのではないでしょうか。こんな形の定まらない抽象的な絵を描く機会もなかなかありませんし。

しかし、それだけではまだ自我の範疇をまだ越えきれてはいません。初めてで緊張していることもあり、まだまだ自分の意識の深くまでは到達できません。
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◯第二の手順ではそれらの絵を全て真っ黒に塗りつぶします。
それを聞かされていない皆さんにとっては、「壊す行為」になります。
これは作品を作る時、ひらめきが必要な時など、何かを問いかける時にも必要な過程ですよね。
いやがる人は1人もおらず、ストレス発散とばかりにがんがん塗りつぶして汗をかいていました。
素直で度胸のある方たちばっかり!変なプライドがないようです。
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◯第三の手順では察しの通り、爪楊枝などを使って絵を掘り出していきます。
それこそ自由に。自分の感覚のおもむくままに。
以前描いた絵を発掘していきます。
この時には既に、自分の感覚は第一の手順の時から変わっていることに気付きます。
そして変わっていない部分にも気付くはずです。
薄曇りの空がだんだん晴れて蒸し暑くなってくるように、心もやりたい方向性も感覚も、変化していくのです。

こうして、構築→破壊→再構築というプロセスを「絵を描く」行為によって体験してもらいました。

破壊といってもがむしゃらに「無かったことにする」ことにはなりません。
描いたという体験は体に残っているし、画面にもちゃんと残っています。
「消す」ことではなく、これもまた「つくる」ことの一部なんですね。
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どうしても消したくないところを残すのも手です。

皆さんの作品の一部です。
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黒板の使い方・・
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制作中に皆さんが発見したことは
・自分の気持ちは変化していく
・絵の見え方はその時の気持ちによっても変わってくる

などでした。

自分というのは1つの確立した存在のように感じていますが、実際は常にあっちこっちへ意識が移りゆく生き物です。

また、夢中で絵を描いているとき、ぼおっと全然違うことを考えている事があります。
それを「無意識」というのだと思います。
その無意識に気付く時は、「集中」や「夢中」という領域からふっと我に帰った瞬間なのではないでしょうか。
そして集中している時間は、おそらく自我などは心にないのだと思います。
私は、自我が遠のいている瞬間がそこだと思っています。

私はそんな何も考えていない、意識もしていないその瞬間を、いつも絵に写し描きたいと思って制作をしています。

私の作家性もいかしたワークショップでした!

ネタバレのないように、最後に配った今回の資料はこちら。↓ (拡大しても読みづらかったらすみません)
ピクチャ 4

下部には感想欄を作り、毎回感想を集めて次回に返却する流れにしています。

次回は「目に見えないものを描く2」と題し、荒井良二さんのWSを参考にした内容で題材を設定しました。

同じWSを何度も行っていますが、そこから気付くこと、改善していくことが見えてくるのは良いなあと思います。

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