第二回伝統工芸展を開催します。

第二回常陸太田の伝統工芸展「雪村うちわ(太田団扇)と河合の箒」

第二回常陸太田の伝統工芸展「雪村うちわ(太田団扇)と河合の箒」

常陸太田の伝統工芸展~開催にあたって

 日本における工芸品や生活道具は地域に深く根づき、長い間その土地に暮らす人々の日常の中で使われ親しまれ、役立ってきました。  主として日常生活で使われていること、製造過程の主要部分が手工業的であること、伝統的技術、または技法によって製造されていること、伝統的に使用されてきた原材料を使用していること、一定の地域で産地が形成されていることなどが特徴として挙げられます。
 常陸太田市にも伝統的な工芸品があり、その昔、人々が地元の材料を活用して、生活の道具や工芸品の数々を生み出し、暮らしを便利に、豊かにしてきました。その工芸品や特産品の、完成された作品を展示するだけでなく、土地の風土や使用される道具を紹介することで、成り立ちを知っていただきたく、「常陸太田の伝統工芸展」を開催いたします。
 第二回は、雪村うちわ(太田団扇)と河合の箒。身近にあった素材の竹やほうき草を使って作られた生活の道具です。
 うちわも箒も、戦後の家電製品の普及とともに生産が激減しましたが、現代になって改めてその価値に気づく人も増えつつあります。今もなお伝統を守り常陸太田の地で作られる雪村うちわと河合の箒、その良さを実感いただければ幸いです。

雪村うちわ(太田団扇)

 雪村うちわは、太田団扇とも呼ばれ、室町時代の画僧・雪村がうちわに墨絵を描いて檀家に配ったのが始まりと言われています。常陸太田産の真竹や常陸大宮市の特産西ノ内和紙を用いるなど、この地域の風土を活かして生産されており、絵柄には雪村ゆかりの図柄のほか、水戸八景などがあります。

河合の箒

 河合の箒の材料はほうき草。ほうき草というとコキアを思い浮かべる方が多いと思いますが、河合の箒に用いられているのは正式名称を「ホウキモロコシ(イネ科の植物)」といいます。氾濫が多い久慈川沿いの農家が、水害に強く農閑期の冬場に貴重な現金収入を得る手段として広く栽培し、最盛期には生産者が五十軒を超えていました。箒を背負って歳の市や行商に歩く姿が冬の風物詩として記憶に残っている方も多いことでしょう。

第二回 常陸太田の伝統工芸展「雪村うちわ(太田団扇)と河合の箒」
会 期:2019年9月25日(水)〜10月20日(日)
会 場:常陸太田市郷土資料館 梅津会館2F(常陸太田市西二町2186)
開館時間:9時〜17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
入館料:無 料

主催:特定非営利活動法人 結/共催:常陸太田市教育委員会/後援:鯨ケ丘商店会
協力:枡儀団扇店・種継人の会