経緯

我が国の総人口は、約1億2805万人(平成22年国勢調査)で、総人口のうち外国人を除く日本人の人口は、平成17年の国勢調査結果から約37万人減少し、約1億2535万人です。今後、日本全体として本格的な人口減少社会を迎えることとなります。

一方、常陸太田市では、人口減少は10年以上前から進行しています。国勢調査における当市の人口の推移を見ると、平成7年が、61,525人、平成12年が61,869人、平成17年が59,802人、平成22年が56,250人と、平成12年をピークに急速に人口減少が進んできました。なお、平成26年7月1日現在の常住人口は、53,064人となっています。

このような状況の中、当市においては、これまでも、人口減少の進行に伴う地域の活力低下や地域コミュニティの衰退といった諸課題に対して、様々な取組みを進めてきました。例えば、過疎地域における地域活性化の源泉としての地域力の向上という観点からは、当市にある恵まれた全ての地域資源(自然、歴史、文化遺産、景観、産業、文化活動、スポーツ活動、そこに住んでいる人々など)を市民と行政が協働で見つめ直し、その魅力を高める取組みとして、平成11年より、「常陸太田エコミュージアム活動※(地域全体がまるごと博物館)」を実施してきました。

近年、国においても、地域活性化の源泉としての地域力(特に地域資源力と人材力)の維持・向上を後押しする施策が多数展開されてきていることから、当市においても、これまでの地域力向上の取組みを強化し、発展させるという観点から、平成23年度より、総務省の進める「地域おこし協力隊」を県内で最初に受け入れ、これまで4人の隊員が活動期間終了後も市に定住しています。

また、当市は、372.01k㎡と茨城県内では1番面積が広く、久慈川の支流である里川、山田川、浅川が流れ、この河川沿いに平野が開けていることから、かつては佐竹氏や水戸徳川家の領地として栄え、農業と商業を基幹産業として発展してきた、歴史と自然が豊かな町です。1991年には、ブルガリアの美術家クリストによる「アンブレラ・プロジェクト」の日本での舞台になった地でもあり、当時は市内外から沢山の方が訪れました。

こうした地理的、歴史的な背景を活かし、市では更なる地域力の維持・強化を図るため、平成25年10月より、総務省「地域おこし協力隊」制度を活用した「アーティスト・イン・レジデンス」事業を開始することとなりました。


※エコミュージアムとは、エコロジー(生態学)とミュージアム(博物館)の造語で、元々はフランス人が提唱した概念で、日本では、地域の人々の生活向上や豊かな環境を守り育てることを目的とした「生活環境博物館」と訳されています。

従来の建物を中心とした博物館とは違い、地域全体を展示室として、自然環境や文化・歴史遺産・産業などを現地にそのまま置いて展示品とし位置づける、現地保存型の野外博物館で、私たち自身が、自分たちの暮らす地域ならではの生活や住んでいる環境を守り、見直すことで、自分たちの地域を良くします。そして、その地域でしかできない楽しい生活をしていくとともに、地域の発展を目指そうというものです。

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