色をとらえる、輪郭を忘れる

7月22日は、常陸太田市幼稚園教育研究会 実技研修の講師をしました。
常陸太田市内にある全幼稚園の先生達を対象とした研修です。
テーマは「のびのびと自分の思いを表現できる絵画・制作指導について」
ということで、2つのテーマでワークショップをしました。

参加者は園長先生含め48名。
開会式のあと、1つ目のワークショップ。
まずは、ウォーミングアップ!
ミヤタ担当の「色をとらえる、輪郭を忘れる」

カラーフィルムをのぞきながら、向いに座っている先生の顔を描いてもらいます。
好きな色のカラーフィルムを枠にはりつけて、スタート。
使う絵の具は、赤・青・黄色・白のみ

「今日は、輪郭を忘れてください。」

というと、えーーーーという声。少しずつ説明を。

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「パっと色のみをとらえている瞬間てあると思います。
 一瞬色がみえて、それからゆっくり輪郭が見えていく。
 輪郭が見えてから色が見えるってことは、なかなかないですよね。」

「まずは、選んだ色の世界をながめてみてください。
 何万色もある人間を色と面で捉えていくのは難しいので、光と影、
 面と色を意識しやすいように、カラーフィルム越しに世界をみてもらいながら、
 絵を描きます。赤の世界、青の世界、黄色の世界、緑の世界、
 それぞれの色の世界で大胆に思いのままに表現してみてください。」

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頭ではなんとなーく理解しても、手が動かない!という先生達に、
色を捉えて面を捉えて、大雑把にサッサッと描いても絵になっていきますよ〜とちょっと実演。

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すると、なるほど!なんかわかったかも!!と、どんどん手が動きだす先生達。
さすがです!すごい集中力と個性と創造性と笑い声が会場中にあふれていきます。

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みなさん、めちゃくちゃ上手!
だいたい描けたら、違う色のセロファンでみてみてたり。
光と影がよけいにくっきりして、オモシロくみえます。

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25分経ったところで、何名かの先生に描いた絵をみせてもらいながら、
感想や意見を発表してもらいました。

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「こんなに楽しく描けたのはじめて。美術に目覚めた!」
「光と影をこんなに意識して絵を描いたのはじめて!」
「わたしって本当は絵が上手いのかもと思った!」
「青でのぞいたのに黄色がみえたり。たくさんの色を見つけられた!」
「こども達に、もっと自由に表現できることを教えていきたいと思った!」
「美術きらいだったけど、オモシロくてスラスラ描けて、好きになった!」
「先生(アーティスト)がたくさん褒めてくれたので、思いのままに描けた!」
「小さい頃からこんな風に習ってたら、今頃芸術家になってたかも!」
「なかなか描けなかったけど、描き出すと止まらなかった。こどもの気持ちがよくわかった!」

などなど・・・・・
たくさんの素晴らしい感想をいただきました。

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自分の絵をみる目が子どものようにキラキラしていて、ステキでした!

休憩の後は、林友深のワークショップ
「目に見えないものを描く」
長くなってしまったので、詳細は林のブログで。
とにかく皆さん、めっちゃくちゃ楽しそうに自由に描いていました!

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輪郭を線でとらえてから色をつけていくのと
色や空間をとらえて、そこから輪郭をみつけていくのでは
感覚も自由さもケタ違い。それは絵だけでなく、日常の中でも。

はじめに決めてしまった輪郭や線は、無意識に自分の世界を小さくしているのかも。

 

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