ヒタチオオタ芸術会議2014(荒蒔)
こんにちは!なるです。
里美地区は11月8日(土)~9日(日)古民家の荒蒔邸で作品展示&地元食材カフェを開催しました。
たくさんの方々に足を運んでいただき、ありがとうございました。
カフェのことはこのあと記事がアップされると思うので、私は展示のほうを書きます。
11月。4か月前の話。
ずいぶん前のことのようで、鮮明に覚えている不思議な感覚です。
少し長くなりますが、そして文字での表現は苦手なのですがお付き合いくださるとうれしいです。
では!!
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古民家の荒蒔邸では里美移住アーティストのなる、水府移住のミヤタ、林の作品展示の他に地域の方々との作品展示も行いました。
話したいこと、伝えたいこと。
なんだか盛りだくさんなので、まずは私の展示2つ『里美88地蔵』と『里美昔話』のお話を。。。。
(→次回の私のブログでヒタチオオタ芸術会議2014②に続きます。こちらでは地域の方々との作品などお伝えしたいと思います。)
展示①:『里美88地蔵』
(古民家の一室を使い、お地蔵様の森をイメージ。薪用の木などを使用し展示。)
当時、里美に住んで半年。
絵本作家を目指す私は地域資源として『昔話』を使って活動しようと思いました。
しかし20年前にすでに『里美むかしむかし』として本になっていました。
地域の方々のお話を聞くと、なかなか本棚から取り出すことはないという。
なんだか。とってももったいなく思いました。
地域にこんなにワクワクするお話があるのならこの昔話を使って面白い展開にならないか。と旧里美村(現常陸太田市里美地区)にあった『里美むかしむかし』にポイントをあてました。
昔話というのは先人から、そして親から子への『想いのメッセージ』であるということを昔話に関わっていく中で感じた。
子供にとっては教科書であり、生きていくための知恵、自分自身を守る方法でもあり、人として持つべき『生かされている』という相手を敬う心。
想像力ときちんとした裏付けがある里美の昔話。
見えないものだからこそ、伝えられることがある。
そして、1つのことが気になりました。
お地蔵様の話が多いということ。
調べてみると里美には現在121基のお地蔵様がいるとのこと。
その多さに驚きました。
私の中でお地蔵様はなんとなく悲しい想いからできたもの。と勝手に思っていたが、そうではなく村の境にたてて悪いものが入ってこないようにする。子供を悪いものから守るもの。そんなプラスの想いの詰まったものなんだと。
そして、私がマイナスと思っていたことも想いがあるから形になったと思うと愛おしいものにさえ感じました。
そんな想いがつまったものがここにたくさんあることに心打たれました。
この『想い』を今回の芸術会議で形にしてみようと思いました。
『里美地蔵を作ろう!!』
というワークショップを里美学童さん、さとみ秋の味覚祭などで開催。
(左:味覚祭でのWSの様子・右:出来上がった作品たち)
里美にいてほしいお地蔵様を作ってもらいました。
気がつけば子供から大人まで88名の方々に協力していただき130基以上の想いのつまったお地蔵様が完成。
ここからが私自身大きなチャレンジでした。
私自身、誰かの作品の空間作りというのは初めてだったから。
並べていて、もっとこの作品たちに似合う方法があるのではないだろうか。
ワークショップの間に想いをたくさん聞いたから、想いを知ったから参加してくださった皆さんの作品。
会場に来て、喜んでもらえるものにしたかったんです。
もっと。もっと。と想いばかり先走ってダメダメでした。
そんな中で もがいてる私。
ミヤタ、林も自分の作品準備がある中、みんなで空間を作っていきました。
2人の言葉は、私の中のこんがらがった糸をほぐしていってくれる感覚でした。
そこから3人で作り上げていく時間はすごくワクワク♪
今思うと、答えはシンプルでした。
表現にも想いにも『正解』がないから。
でも『似合う場所』があるんだな。と思いました。
頭でっかちのときには考えられなかった、優しい感覚。
(左:『豆地蔵』数えてみると36体!!:右『雪地蔵』里美のみんなを雪から守ってくれるとのこと。)
(左:『仲良し地蔵』里美のみんなが仲良しでいられるように。・右:『頭よくなる地蔵』顔の上の丸いものはすべて脳みそとのこと。脳みそいっぱい=頭が良い。子供の発想は素晴らしい!)
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展示②:『里美昔話・里美絵地図・里美マット』
・里美絵地図 :天野 和男 氏
・緑のマット :里美保育園のみんな
・紙粘土・撮影:なる
絵地図は地域の方のご協力で描いていただき、下のマットは直美さんの創造クラブで保育園のワークショップで園児たちが走り回って色付けされたもの。これを80%が森林という里美を表現。
自分1人でなく、地域の方々も一緒に1つの作品を作り育てる経験は初めてのことだったが沢山の温かいご協力に感謝の気持ちでいっぱいです。
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芸術会議から4カ月たった現在、そんな魅力あふれる昔話を使ったおもしろいアプローチができるのではないかと思い、『里美わらしプロジェクト(昔話からはじまるはじまり)』と名付け、いろんな方面で活動しています。
その1つに毎月全戸配布されるニュースレターに1話ずつ挿し粘土と20年たった現在のお話の場所の写真を掲載。(←芸術祭で里美の絵地図と共に展示。)
ちなみに『里美わらし』というのは実際いるわけでなく、プロジェクトを進めるにあたってのつなげ人。
里美にも座敷わらしの話があるが、それは物証がないため本への掲載を断念したと聞きました。
なんだかいてくれたら嬉しい。
なんだかちょっと心がプラスへ動く。
そんなプロジェクトになればと思い、この名にしました。
最後になりましたが、この展示に伴いたくさんの方々に支えていただきました。
本当にありがとうございました。
たくさんの方々に感謝の想いをこめて。